「なんかダサい」の正体は、4つのルール違反だった
資料を作ったら「なんか見づらいね」と言われた。バナーを並べたら「ごちゃごちゃしてる」と感じた。SNSの投稿画像がなぜか素人っぽい――。デザインを学んだことがない人なら、誰しも一度はぶつかる壁です。
「センスがないから仕方ない」と諦める人も多いですが、じつはデザインの大部分はセンスではなくルールでできています。そのもっとも基本的なルールが、ロビン・ウィリアムズの名著『ノンデザイナーズ・デザインブック』で提唱されたデザインの4原則、近接(Proximity)・整列(Alignment)・反復(Repetition)・対比(Contrast)です。
この4つは、プロのデザイナーが無意識にやっていることを言語化した「鉄板ルール」。才能やセンスではなく、知識として覚えれば誰でも実践できるものです。AIでイラストやレイアウトを作る人にとっても、出力の良し悪しを見極める「目」を養ってくれる知識です。
4つだけ? たった4つ覚えるだけでデザインが良くなるなんて、そんなうまい話ある?
あります。この4原則はデザイン教育の基盤として世界中で採用されています。そして重要なのは、これらは「覚えれば使える」知識だという点です。特別な才能は必要ありません。順番に見てい��ましょう。
デザインの4原則(CRAP原則)
近接(Proximity) — 関連する要素を近くにまとめる
整列(Alignment) — 見えない線で要素を揃える
反復(Repetition) — 同じルールを繰り返して統一感を作る
対比(Contrast) — 異なる要素は明確に差をつける
英語の頭文字を取って「CRAP」とも呼ばれます。出典はRobin Williams著『The Non-Designer's Design Book』(1994年初版、2024年に第5版)。
第1原則「近接」― 仲間は近くに、他人は遠くに
近接(Proximity)は、4原則の中でもっとも直感的でありながら、もっとも見落とされがちな原則です。やることは至ってシンプル。「関連する情報同士を物理的に近づけ、関連しない情報とは距離を取る」。これだけです。
人間の脳には「近くにあるもの=関連している」「離れているもの=別のグループ」と無意識に判断する性質があります(ゲシュタルト心理学の「近接の法則」)。この性質を利用して、情報のまとまりを視覚的に作るのが近接の役割です。
具体例: 名刺で理解する近接
名刺には「名前」「肩書き」「会社名」「メールアドレス」「電話番号」「住所」「Webサイト」など多くの情報が載っています。これらが均等な間隔で上から下に並んでいたらどうでしょうか?
全部同じ間隔だと、「名前と肩書きはセットなのか」「電話番号とメールはセットなのか」が視覚的に分かりません。情報は7つあるのに、構造がゼロ。読み手は1行ずつ順番に読むしかなくなります。
ここに近接を効かせると:
- グループA(アイデンティティ): 名前 + 肩書き → 間隔を詰めて1かたまり
- グループB(所属): 会社名 → 独立ブロック
- グループC(連絡先): 電話番号 + メール + Web → 間隔を詰めて1かたまり
- グループD(住所): 住所 → 独立ブロック
4つのグループ間にはしっかり余白を取ります。すると、7つの情報が「4つのかたまり」に整理され、一目で構造が把握できるようになります。情報量は同じなのに、「見た目の重さ」が激減するのです。
日常にあふれる近接の例
近接は身の回りのあらゆるデザインに使われています。
- スマホの設定画面 ― 「通知」「サウンド」で1グループ、「プライバシー」「セキュリティ」で1グループ。セクション間の余白が区切り線の役割
- スーパーの棚 ― 「調味料」「缶詰」「レトルト」がエリアごとにまとまっている。もし全カテゴリが混在していたら買い物は地獄
- 電車の路線図 ― 乗り換え駅の路線名が駅名の近くにまとめて表示されている。離れた場所に書かれていたら使い物にならない
- Webサイトのフッター ― 「会社情報」「サービス」「サポート」がグループごとにまとまっている
近接の3つのコツ
- グループ内は狭く、グループ間は広く ― この差が明確であるほど、グループ分けが伝わる。中途半端な距離が一番まずい
- 要素が5つ以上あるときは必ずグループ化 ― 5つ以上の要素がフラットに並ぶと、人間の短期記憶の限界を超える。3グループ以下に分けるだけで、認知負荷が大幅に下がる
- 余白は「何もない空間」ではない ― 余白は「ここが区切りです」というサイン。線や枠で区切るよりも、十分な余白のほうがエレガントに区切れることが多い
スーパーの棚! たしかに調味料エリアにカップ麺が混ざってたらめちゃくちゃ探しにくいよね。それと同じことがデザインでも起きてるのか〜。
まさにそのイメージです。近接の本質は「関連するものを近くに置く」だけ。シンプルですが、これを意識するかしないかで情報の伝わりやすさが劇的に変わります。
でもさ、「どこで区切るか」の判断が難しくない? 何と何をグループにするか迷いそう……。
良い質問です。判断基準は「この情報は、読み手にとって一緒に見たいか?」です。名前と肩書きは一緒に知りたい。電話番号と住所は連絡手段として一緒に知りたい。「読み手の目的」でグループ分けすると自然にまとまります。
第2原則「整列」― 見えない線で秩序を作る
整列(Alignment)は、ページ上のすべての要素を「見えない線(ガイドライン)」で揃えるという原則です。この原則を守るだけで、デザインに「きちんと感」が生まれ、プロっぽさが格段に上がります。
整列の核心は「ページ上のどの要素も、他の何かと視覚的なつながりを持つべきだ」ということ。何にも揃っていない要素は「置き忘れ」に見え、デザイン全体の品質を下げます。
整列が壊れると何が起こるか
想像してみてください。プレゼンスライドで、見出しが左揃え、箇条書きがやや右にズレ、画像は中央寄り、ページ番号は微妙に右寄り――。どの要素も「だいたいこの辺」に配置されていて、ピタッと揃っているものがひとつもない。
こうしたスライドは、内容に関係なく「雑」「信頼性が低い」という印象を与えます。なぜなら、人間の目は無意識に「揃い」を探すからです。揃いが見つからないと脳がストレスを感じ、「なんか落ち着かない」という感覚につながります。
整列の基本: 左揃え・中央揃え・右揃え
揃え方には3つの基本パターンがあります。どれが正解というわけではありませんが、1つのレイアウト内で揃え方を統一することが最重要です。
- 左揃え(もっとも安全) ― 人間の目は左上から読み始めるため(横書き言語の場合)、左に揃えた「見えない線」は最も強力な視覚ガイドになります。文章が長いとき、要素が多いときは左揃え一択。迷ったら左揃え
- 中央揃え(注意が必要) ― フォーマルさ・対称性を演出できます。結婚式の招待状、ポスターのタイトル、1行だけのキャッチコピーなど、短いテキストが少数あるデザインに向いています。しかし要素が増えると左端がガタガタになり、散漫な印象に
- 右揃え(特殊用途) ― 日付、ページ番号、価格表示など、補助的な情報の配置に使われることが多い。メインのコンテンツには不向き
「なんとなく中央」が初心者最大の罠
デザイン初心者がもっともやりがちなのが、すべてを中央揃えにしてしまうことです。「真ん中に置けば無難でしょ?」という気持ちは分かりますが、これが実は逆効果。
中央揃えの問題点を具体的に見てみましょう。テキストが複数行あるとき、中央揃えでは各行の開始位置が毎行変わります。すると読み手の目は「次の行はどこから始まるか」を毎回探さなければならず、読むテンポが落ちます。左揃えなら開始位置が常に同じなので、目が迷わず、読みやすさが段違いです。
中央揃えが許されるのは:
- タイトルや見出し(1〜2行の短いテキスト)
- 招待状やメニューなどフォーマルなデザイン
- ヒーローセクション(Webサイトの最上部バナー)
本文、リスト、複数の情報が含まれるレイアウトでは、左揃えを基本にしましょう。
揃え方を混在させないルール
「見出しは中央揃え、本文は左揃え」のように1ページ内で複数の揃え方を混ぜると、視線の流れが不安定になります。どうしても混在させる場合は、「見出しエリアは中央揃え、本文エリアは左揃え」のようにエリアごとに明確に分けること。そして、各エリア内では必ず揃え方を統一します。
ぐっ……あたし全部中央揃えにしがちだ。パワポとかでも「真ん中がいちばん見やすいでしょ?」って思ってた……。
中央揃えの最大の問題は「行頭が揃わない」ことです。3行以上のテキストを中央揃えにすると、視線が毎行ジグザグに動く必要があり、読みにくくなります。試しに次のスライドで全部左揃えにしてみてください。読みやすさの違いに驚くはずです。
へぇ〜、じゃあ「揃える」っていうのは画像とかにも当てはまるの? 文字だけの話?
画像、ボタン、アイコン、すべての要素が対象です。例えば画像の左端とテキストの左端が揃っていると、見えない線で繋がっている印象になり、統一感が出ます。プロのデザイナーはまずガイドライン(グリッド)を引いてから要素を配置します。
整列の使い分け早見表
左揃え — 最も安全。長文、リスト、複数要素のレイアウトに。迷ったらこれ
中央揃え — 短いタイトル、招待状、ポスターなど対称デザイン向け。3行以上は非推奨
右揃え — 日付、ページ番号、価格など補助情報向け。メインには使わない
鉄則: 1つのレイアウト内で揃え方を混在させない。混ぜるならエリアを分けて、エリア内は統一。
第3原則「反復」― 同じルールを繰り返して「統一感」を生む
反復(Repetition)は、デザイン上のルール(色、フォント、サイズ、形、スタイル等)を一貫して繰り返し使うという原則です。反復があるとデザインに統一感が生まれ、「ひとつのまとまり」として認識されます。
反復は4原則の中でもっとも「当たり前」に聞こえるかもしれません。しかし実際には、意識していないとすぐに崩れてしまうのがこの原則です。
反復がないとどう見えるか ― 「つぎはぎ」の正体
こんなWebサイトを想像してみてください。トップページの見出しは丸ゴシック体で青色。次のページの見出しは明朝体で赤色。ボタンはあるページでは角丸、別のページでは四角。アイコンはあるセクションでは線画スタイル、別のセクションではカラフルな塗りスタイル。
個々のパーツはそれぞれキレイでも、全体で見ると「バラバラ」「つぎはぎ」「信頼感が低い」という印象になります。これは反復の欠如が原因です。ルールが一貫していないと、読み手は「これは同じサイト/資料なのか?」という無意識の疑問を抱えたまま読むことになり、集中力が削がれます。
何を反復するか ― チェックリスト
反復すべき要素は、意外と多岐にわたります。
- 色 ― メインカラーを2〜3色に決めて、全ページ・全セクションで使い回す。ブランドカラーはこの反復の最たる例
- フォント ― 見出し用と本文用の2種類(最大3種類)に絞り、全体で統一する。ページによってフォントが変わるのはNG
- 余白の幅 ― セクション間の余白、段落間の余白、カード内のパディング。これらの数値を統一するだけで「揃い」の印象が格段に上がる
- 角丸の大きさ ― ボタン、カード、画像の角丸。全体で統一(8pxなら全部8px)。微妙にバラバラだと雑な印象に
- アイコンスタイル ― 線画(アウトライン)なら全部線画、塗り(Filled)なら全部塗り。2種類を混ぜない
- 写真のトーン ― 明るさ、彩度、色温度を揃える。同じサイトに「ビビッドな風景写真」と「セピアの人物写真」が混在すると違和感が出る
- 文章のトーン ― デザインだけでなく、文章の口調やフォーマット(例: リスト項目が体言止めなら全部体言止め)も反復対象
反復は「退屈」ではなく「安心感」
「同じことの繰り返しは退屈になるのでは?」と心配になるかもしれません。しかし反復が生むのは退屈ではなく安心感とリズムです。
音楽で考えてみましょう。サビのメロディが毎回変わったら、リスナーは心地よさを感じるでしょうか? 同じサビが繰り返されるからこそ「あ、サビだ」と分かり、一緒に口ずさめる。視覚的な反復もまったく同じです。「見出しはこの色でこのサイズ」「吹き出しはこのスタイル」というルールが繰り返されることで、読み手は「このデザインには一貫したルールがある」と感じ、安心してコンテンツに集中できます。
反復の中で変化をつける ― 退屈を避けるコツ
変化をつけたいときは、反復の「外側(フレーム)」ではなく「内側(コンテンツ)」で変化をつけるのがコツです。
- カードのデザインは全部同じ → 中の写真やテキストだけ変わる
- 見出しのスタイルは全部同じ → テキスト内容だけ変わる
- カラーパレットは全部同じ → 各セクションの主役カラーだけローテーション
フレームが同じだからこそ、中身の違いが際立つ。これが「反復の中の変化」です。
あ〜、だからこのサイトもリアとメカの吹き出しの色がいつも同じなんだ! 紫とシアン。毎回一緒だから「リアの番だ」「メカの番だ」ってすぐ分かるよね!
このサイト自体が反復の実例になっています。吹き出しの色、メカメモの枠線スタイル、見出しの紫色、セクション間の余白幅――すべてが記事を跨いで反復されています。だからどの記事を開いても「同じサイトだ」と一瞬で認識できるのです。
Instagramとかで統一感ある人のアカウントがオシャレに見えるのも反復だ! フィルターとか色味を全投稿で揃えてるもんね!
その通りです。SNSのフィード全体で色調やレイアウトパターンを反復することで、ブランドイメージが強固になります。個々の投稿が良い悪いだけでなく、全体の統一感が評価に直結するのです。
第4原則「対比」― 違うものは、はっきり違わせる
対比(Contrast)は、4原則の中でもっとも視覚的なインパクトが大きいルールです。前回の記事「視覚的ヒエラルキーの基本」で解説した内容とも深く関わっています。
対比の意味は明快です。「異なる要素は、明確に違いがわかるようにする」。見出しと本文。主役と背景。ボタンと通常テキスト。これらの差を、一瞬で「あ、違うものだな」と分かるレベルにはっきりさせること。
対比で最もやってはいけないこと ― 「中途半端な差」
対比の最大の敵は「少しだけ違う」状態です。具体的に見てみましょう。
- フォントサイズが16pxと18px → 差はあるが、一瞬では区別できない
- 色がダークグレー(#333)とミディアムグレー(#555) → 微妙に違うが、意図的なのか事故なのか判断できない
- フォントの太さがRegular(400)とMedium(500) → 注意深く見れば分かるが、パッと見は同じ
こうした微妙な差は、「意図的に変えたデザイン」なのか「揃え損なったミス」なのか読み手に判断できません。結果、「なんか雑」という印象だけが残ります。
対比をつけるなら、思い切って大きな差をつけましょう。
- 16pxと18px → 16pxと36pxに(2倍以上の差)
- ダークグレーとミディアムグレー → 黒と白に
- RegularとMedium → LightとBoldに(300と700の差)
「あ、ここは意図的に違うんだな」と一瞬で伝わるレベルの差が必要です。
対比をつけられる6つの軸
対比は「大きさ」だけではありません。以下の6つの軸で差をつけられます。複数の軸を組み合わせると、より強い対比になります。
- サイズ ― 大きい vs 小さい。見出しと本文、メイン画像と補助画像
- 太さ(ウェイト) ― 太い vs 細い。Bold vs Light。強調キーワードと通常テキスト
- 色 ― 暗い vs 明るい、暖色 vs 寒色、有彩色 vs 無彩色。背景色とテキスト色
- 形 ― 角ばった vs 丸い、直線 vs 曲線。幾何学的なレイアウトに有機的なイラストを置くなど
- 密度 ― ぎっしり vs ゆったり。テキストが詰まったエリアの隣に大きな余白を取るなど
- 方向 ― 縦 vs 横、斜め vs 水平。横書きテキストの中に縦書き要素を入れるなど
対比は「引き算」で作る
「全部目立たせたい」は対比の最大の敵です。前回の記事でも触れましたが、すべてを目立たせようとすると、結局何も目立ちません。
対比とは、「目立たせるもの」と「目立たせないもの」を決めること。目立たせないものを思い切って抑える(小さく、細く、地味に)ことで、目立たせたいものの対比が際立つのです。
たとえば、白い背景に赤いボタンが1つだけあれば、目はそこに吸い寄せられます。しかし赤いボタンが5つあったら、どれを押すべきか分からない。「1つだけ赤くする」という引き算が、対比の力を最大化します。
「中途半端が最悪」ってすごいパンチラインだね! やるなら思い切り、やらないならちゃんと揃える。ハッキリさせるのが大事なんだ!
デザインにおいて最も避けるべきは「違うのか同じなのか分からない」状態です。意図を持って揃えるか、意図を持って差をつけるか。常にどちらかであるべきです。迷ったときは「この差、一瞬で分かる?」と自問してみてください。
YouTubeサムネとかもそうだよね! 目立つサムネって、文字が背景に対してめちゃくちゃコントラスト高いし、人の顔もドーンと大きい。対比がすごい。
良い分析です。人気YouTuberのサムネイルを対比の視点で観察してみてください。「背景を暗くしてテキストを明るくする」「人物を大きく配置して余白を少なくする」など、対比のテクニックが詰まっています。
対比の鉄則
中途半端な差は「ミス」に見える — 16pxと18pxの差は対比ではなくノイズ
思い切った差が「意図」に見える — 16pxと36pxなら「ここは違う」と即座に伝わる
対比の6軸 — サイズ、太さ、色、形、密度、方向で差をつけられる
引き算が対比を作る — 目立たせないものを抑えることで、目立たせたいものが際立つ
4原則は組み合わせて使う ― 身近な例で見る合わせ技
4原則は個別に使うものではなく、常に4つ同時に働いているものです。優れたデザインを分析すると、必ず4原則すべてが効いています。逆に、1つでも崩れていると「なんか惜しい」という印象になります。
身近な例で4原則がどう組み合わさっているか確認してみましょう。
例1: コンビニのおにぎりパッケージ
身近すぎて気づかないかもしれませんが、おにぎりのパッケージは4原則の教科書です。
- 近接 ― 「商品名」と「具材写真」が近くにまとまっている。「カロリー」「アレルギー表示」は裏面にまとめて分離
- 整列 ― 商品名は中央揃え(短いテキストなので有効)。裏面の成分表は左揃えの表形式
- 反復 ― 同ブランドのおにぎりは全種類パッケージの形式が同じ。色帯の位置、ロゴの位置が統一されている
- 対比 ― 「鮭」の文字は大きく太字で目立つ。「138円」の価格表示は控えめ。具材の写真は鮮やかな色で背景と対比
例2: レシピカード
料理レシピのカードも4原則で分析できます。
- 近接 ― 「材料」は1グループ、「手順」は別グループに。「調理時間」「分量」は上部にまとめて1グループ
- 整列 ― 材料名は左揃え、分量は右揃えで行を揃える。手順は番号+左揃えで統一
- 反復 ― 手順番号のスタイル(丸数字+太字)を全ステップで統一。フォントと色は全体で同じ
- 対比 ― 料理名は大きく太字、材料リストは小さく通常ウェイト。写真は大きく、テキストは控えめ
例3: この記事そのもの
じつはこの記事自体が4原則の実践例になっています。
- 近接 ― 見出し(h2)と直後の本文はすぐ近く。セクション間には広い余白。対話は対話ブロックとしてまとまっている
- 整列 ― テキストはすべて左揃えで統一。対話の吹き出しも左に寄せた一貫したレイアウト
- 反復 ― 見出しは常に紫色、リアの吹き出しは紫ボーダー、メカの吹き出しはシアンボーダー。メカメモは常に同じ枠線スタイル。このルールは記事を跨いでも同じ
- 対比 ― h2見出しは本文の1.4倍サイズで太字。背景のダーク系に対しテキストは明るい色。メカメモは背景色が変わってボックスとして区別
例4: SNS投稿画像
- 近接 ― キャッチコピーと補足テキストを近づけてグループ化。ロゴやハッシュタグは隅に離して別グループに
- 整列 ― テキスト要素は中央揃え(短いテキストなので有効)。ロゴとハッシュタグは右下に揃え
- 反復 ― ブランドカラーとフォントを投稿ごとに統一。枠線やフィルターの処理も全投稿で共通
- 対比 ― キャッチは極太白文字、背景は暗い写真でコントラスト最大。最も伝えたいメッセージに対比を集中
おにぎりのパッケージまで!? すごい、コンビニ行くたびに4原則チェックしちゃいそう……。そしてこの記事自体がお手本になってるのがずるい!
意図的な設計です。4原則は「特別なデザイン」ではなく、日常のあらゆるものに存在しています。それに気づけるようになった時点で、デザインの目は養われ始めています。
AIイラスト・デザイン制作への応用
4原則の知識は、AIで画像やデザインを生成するときに強力な武器になります。「なんとなくいい」「なんとなく微妙」を卒業して、具体的な言葉でAI出力を評価・改善する力がつくからです。
AI出力を「4原則チェック」で評価する
AIが生成した画像やレイアウトを見るとき、以下の4つの質問を投げかけてみてください。
- 近接 ― 関連する要素がまとまっているか? 主役と小物の距離感は適切か? バラバラに散らばっていないか?
- 整列 ― 要素の端が揃っているか? 微妙にズレている箇所がないか? 全体に「見えない線」の秩序があるか?
- 反復 ― スタイルに統一感があるか? 途中でテイスト(色調、描き込み密度、ライティング)が変わっていないか?
- 対比 ― 主役が明確に目立っているか? 全体がのっぺりしていないか? 見せたいものとそうでないものの差は十分か?
この4つの質問を自分に投げかけるだけで、「なんか微妙」の原因を特定できます。「近接が崩れている(要素がバラバラ)」「対比が弱い(主役が目立っていない)」など、具体的な言葉になれば、次のプロンプトや修正指示も具体的になります。
プロンプトに4原則の意図を込める
AIにレイアウトやポスターを生成させるとき、プロンプトに4原則の意図を反映させることで出力品質が上がります。
- 近接を指示する ― 「title and subtitle grouped together at the top, logo isolated at bottom right」
- 整列を指示する ― 「all text elements left-aligned」「centered composition with symmetrical layout」
- 反復を指示する ― 「consistent color palette throughout」「uniform style across all elements」
- 対比を指示する ― 「strong contrast between text and background」「large bold title with small subtle body text」「dominant subject with minimal background」
イラスト構図にも4原則は効く
テキストレイアウトだけでなく、イラストの構図にも4原則は適用できます。
- 近接 ― キャラクターと持ち物の距離感。関連する小物はキャラの近くに、背景の装飾は離す
- 整列 ― 地平線の位置、建物の垂直ライン、キャラクターの目線の方向。これらが「見えない線」で整っていると安定感が出る
- 反復 ― 色調の統一。暖色系で統一された夕焼けシーン、寒色系で統一された深海シーンなど
- 対比 ― キャラクターの明るい色と暗い背景。描き込みの密度差(主役は精密、背景はぼかし)
4原則チェック! それいいね! 「なんか微妙」が「近接が崩れてる」「対比が弱い」って言えるだけで、次にやることがハッキリする!
「感覚をデザイン用語に変換する力」は、AIクリエイターにとって最も重要なスキルのひとつです。4原則はその変換のフレームワークになります。プロンプトの精度にも、出力の選定眼にも直結する知識です。
AI出力の4原則チェックリスト
近接 — 関連要素がグループ化されているか? バラバラに散っていないか?
整列 — 要素の端が揃っているか? 見えない線の秩序があるか?
反復 — 色調・スタイルが統一されているか? 途中でテイストが変わっていないか?
対比 — 主役が明確に目立っているか? 全体がのっぺりしていないか?
「微妙」と感じたら、この4つのどれが崩れているかを特定する。それがリテイク指示の精度を上げる。
まとめ ― 4原則は「デザインの文法」
言葉に文法があるように、デザインにも文法があります。近接・整列・反復・対比はその中でもっとも基本的で、もっとも効果が大きいルールです。
この記事のポイントをおさらいします。
- 近接 ― 関連する要素は近くに、関連しない要素は離す。余白は「区切りのサイン」。判断基準は「読み手が一緒に見たい情報か?」
- 整列 ― 見えない線で要素を揃える。迷ったら左揃え。「なんとなく中央」は初心者最大の罠。行頭が揃うだけで読みやすさが激変する
- 反復 ― 色、フォント、余白、角丸、アイコンスタイルを繰り返して統一感を作る。反復は退屈ではなく安心感とリズム。変化は「フレームの中」でつける
- 対比 ― 違うものは思い切って差をつける。中途半端な差は「ミス」に見える。6つの軸(サイズ・太さ・色・形・密度・方向)で差をつけられる
- 4原則は個別ではなく常に4つ同時に機能している。おにぎりのパッケージからWebサイトまで、あらゆるデザインに存在する
- AI出力の評価にも「4原則チェック」が使える。「なんか微妙」を具体的なデザイン用語に変換する力がつく
一度この4つのルールを知ってしまえば、あなたの「見え方」が変わります。街中の看板、Webサイト、アプリのUI、雑誌の表紙、動画のサムネイル……あらゆるデザインが4原則のレンズで分析できるようになる。そしてその「目」こそが、自分のデザインを改善し、AIの出力を選び抜く最強の武器になるはずです。
近接・整列・反復・対比! 4つ覚えた! これからコンビニのチラシとか、電車の広告とか、見るたびに「あ、ここは近接が……」って分析しちゃいそう!
その習慣こそが「デザインの目」を育てます。最初は意識して分析する必要がありますが、やがて無意識にデザインの良し悪しが判断できるようになります。次回は色彩やコントラストについてさらに深掘りしていきましょう。
楽しみ! それじゃ、また次の記事で会おうね〜! みんなもまずは身の回りのデザインを4原則で分析してみてね!